中居正広が旧ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)から独立、個人事務所「のんびりなかい」を創設して3年が過ぎた。コロナ禍真っ最中の20年春に独立すると、途端に仕事がストップ。このタイミングで中居社長に新たなビジネスツールを教えたのは、劇団ひとりだ。
2人は11年に「中居正広の怪しい噂の集まる図書館」(テレビ朝日系)の共演で距離を縮め、共通の趣味である麻雀をする仲に発展した。後継番組「中居正広の身になる図書館」(同)が19年に終了しても、のちにスタートした「中居正広のニュースな会」(同/現「中居正広のキャスターな会」)で関係性はより良好に。今年9月、中居にとっておよそ4年ぶりのCM復帰となった「ソフトバンク」でも、ひとりが相手を務めた。
独立後もアナログ生活から脱しない中居に対して、ひとりはさまざまアドバイスを送った。そうして誕生したのが、20年11月に出版した初の絵本「♪ピンポンパンポンプー」。
中居が初めて絵本監修を務め、ひとりがキャラクター「のんちゃんとびりーくん」を考案。同番組共演者の古市憲寿が原案を手がけた。番組内では、中居の後輩であるKis-My-Ft2の宮田俊哉が宣伝隊長に就任。絵本プロジェクトはテレビ朝日公式YouTube「動画、はじめてみました」で随時公開し、そのPRが功を奏して、予約注文だけで10万部を突破。絵本業界で異例の15万冊を売り上げた。今年、「第4回 絵本専門士が選ぶ「逢いたい誰かに贈る絵本」に選書された。
昨年、シリーズ第2弾「パリン グリン ドーン」が出版。関連商品としてエコバッグ、幼児向け菓子「おかしななさいくんグミ」、ぬいぐるみ「なさいくん人形」まで発売。現在、第3弾刊行に向けて動いていることが、ひとりからアナウンスされている。
「のんびりな」ペースながらも、キャラクタービジネスを軌道に乗せた中居は、旧ジャニーズタレントがめざすモデルケースになったといえる。エンタメ評論家は分析する。
「滝沢秀明の『TOBE』しかり、山下智久や錦戸亮ほか、多くの『辞めジャニ』は世界進出だの配信だの、ハイソなブランドのアンバサダーだのと、国外に目を向けがち。でも中居は、SMAPはテレビに育ててもらった縁と恩があるため、視聴者離れが叫ばれる民放の力を信じている。それが結果的に、絵本印税という鉱脈につながった。今後は、この『のんびり成功学』を踏襲する後輩が増えるかもしれません」
「故郷」ジャニーズはジャニー喜多川氏の性加害問題を理由に、今年の「NHK紅白歌合戦」(NHK)で出場歌手が0という非常事態。のんびり経営はますます、令和のビジネスモデルとして見習われそうだ。
(北村ともこ)
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